7.15.4. escalate
¶
バージョン 12.0.8 で追加.
7.15.4.1. 概要¶
注釈
この関数は実験的です。
これは、既存のマッチエスカレーションの仕組みと似ていますが、より一般的です。
マッチエスカレーションとは自動で条件のゆるい検索をする機能のことです。ヒット数が match_escalation_threshold
で指定したしきい値よりも小さい時、自動で条件のゆるい検索をします。これがマッチエスカレーションです。
検索方法のエスカレーションについては 検索 を参照してください。
match_escalation_threshold
は select
の引数です。また、デフォルト値は 0
です。match_escalation_threshold
については、 select を参照してください。
既存のマッチエスカレーションでは、一つの全文検索インデックスが対象です。そのため、例えば、厳密に検索するインデックスで検索して結果が取得できなかった場合、もう一度ゆるく検索するインデックスで検索を実行する必要がありました。この方法はオーバヘッドが大きい方法です。
しかし、 escalate
は複数のインデックスにも対応しています。そのため、厳密に検索するインデックスを使った検索とゆるく検索するインデックスを使った検索を一つのクエリーで実行できます。escalate
を使うことによって、オーバーヘッドを減らすことができます。
7.15.4.2. 構文¶
escalate
は一つ以上の引数を持ちます。
escalate(CONDITION_1, THRESHOLD_2, CONDITION_2, ..., THRESHOLD_N, CONDITION_N)
CONDITION_N
と THRESHOLD_N
はペアです。ただし、 CONDITION_1
はペアとなるしきい値はありません。この条件は常に実行されるためです。
7.15.4.3. 使い方¶
使い方を示すために使うスキーマ定義とサンプルデータは以下の通りです。
サンプルスキーマ:
実行例:
table_create Users TABLE_HASH_KEY ShortText
# [[0, 1337566253.89858, 0.000355720520019531], true]
column_create Users age COLUMN_SCALAR Int32
# [[0, 1337566253.89858, 0.000355720520019531], true]
table_create Ages TABLE_HASH_KEY Int32
# [[0, 1337566253.89858, 0.000355720520019531], true]
column_create Ages user_age COLUMN_INDEX Users age
# [[0, 1337566253.89858, 0.000355720520019531], true]
サンプルデータ:
実行例:
load --table Users
[
{"_key": "Alice", "age": 12},
{"_key": "Bob", "age": 13},
{"_key": "Calros", "age": 15},
{"_key": "Dave", "age": 16},
{"_key": "Eric", "age": 20},
{"_key": "Frank", "age": 21}
]
# [[0, 1337566253.89858, 0.000355720520019531], 6]
以下は簡単な使用例です。
実行例:
select Users --filter "escalate('age >= 65', 0, 'age >= 60', 0, 'age >= 50', 0, 'age >= 40', 0, 'age >= 30', 0, 'age >= 20')"
7.15.4.4. 引数¶
7.15.4.4.1. CONDITION_1
¶
CONDITION_1
は必須です。
CONDITION_1
に指定した条件は常に実行されます。そのため、 CONDITION_1
はペアとなるしきい値を持ちません。
通常、最も検索結果を絞り込める条件を指定します。
CONDITION_1
は "number_column > 29" のようなスクリプト構文の文字列です。
7.15.4.4.2. CONDITION_N
¶
CONDITION_N
は省略可能です。
一つ前の条件での検索結果がしきい値以下だった場合に、 escalate
は CONDITION_N
を評価します。
CONDITION_N
は "number_column > 29" のようなスクリプト構文の文字列です。
7.15.4.4.3. THRESHOLD_N
¶
THRESHOLD_N
は省略可能ですが、 CONDITION_N
がある場合は、 THRESHOLD_N
は必須です。(ただし、 CONDITION_1
はペアとなるしきい値はありません。)
CONDITION_N-1
で検索した結果が THRESHOLD_N
以下の場合、 escalate
は CONDITION_N
を評価します。CONDITION_N-1
で検索した結果が THRESHOLD_N
より大きい場合、 escalate
は CONDITION_N
を評価しません。
THRESHOLD_N
は 0
や 29
のような 0
以上の正の整数です。
7.15.4.5. 戻り値¶
escalate
は対象レコードがマッチしたかどうかを真偽値で返します。