第3章 APT と wget の使用

目次

3.1. 概要
3.2. 操作

wget は人気のある移植性の高いダウンロードツールで、ほぼあらゆるマシンで実行できます。上記の方法とは異なり、これには利用可能なパッケージの一覧を Debian マシンで用意しておく必要があります。

基本的な考え方は、リモートサイトからダウンロードしたアーカイブファイルだけを収録したディスクを作成するということです。これは apt-get に --print-uris オプションを使って行い、それから wget スクリプトを準備して実際にパッケージを取得します。

前の技とは異なり、特別な設定ファイルを必要としません。標準的な APT コマンドを単純に使ってファイル一覧を生成します。

 # apt-get dist-upgrade
 [ 問い合わせには no を回答し、意図しない動作を起こすことのないように ]
 # apt-get -qq --print-uris dist-upgrade > uris
 # awk '{print "wget -O " $2 " " $1}' < uris > /disc/wget-script

dselect-upgrade を含め、ここでは dist-upgrade 以外の任意のコマンドを使えます。

/disc/wget-script ファイルには、必要なアーカイブを取得するために実行する wget コマンドの一覧を収録するようになっています。ディスク上の出力を減らすため、このスクリプトは現在のディレクトリをそのディスクのマウントポイントとして実行するようにしてください。

リモートマシンでは以下のようにします。

  # cd /disc
  # sh -x ./wget-script
  [ お待ちください... ]

アーカイブのダウンロードが終わってディスクが Debian マシンに返ってくるとインストールを続けられるようになります。

  # apt-get -o dir::cache::archives="/disc/" dist-upgrade

これで、ディスクにある取得済みのアーカイブを使用するようになります。