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9.9. クォータ

クォータシステムを使うことで、ユーザまたはユーザグループに割り当てられたディスク領域を制限することが可能です。クォータを設定するには、クォータをサポートする (CONFIG_QUOTA オプションを有効化してコンパイルされた) カーネルを使わなければいけません。Debian カーネルはクォータをサポートしています。クォータ管理ソフトウェアは quota Debian パッケージに含まれています。
あるファイルシステムでクォータを有効化するには、/etc/fstab の中で usrquota (ユーザ用クォータ) および grpquota (グループ用クォータ) オプションを指定します。この後コンピュータを再起動すると、ディスク活動のない時にクォータが更新されます (これは使用済みディスク領域を適切に計量する必要条件です)。
edquota user (または edquota -g group) コマンドを使うと、現在のディスク領域使用量を検査している最中に、制限を変更することが可能です。
クォータシステムを使うと以下の 4 種類の制限を設定することが可能です。
「ソフト」リミットは一時的に超過できます。しかし、ユーザは warnquota コマンドからクォータを超過していることに対して簡単な警告を受けます。warnquota コマンドは通常 cron コマンドによって呼び出されます。「ハード」リミットは決して超過できません。すなわち、システムはハードクォータを超過するような操作をすべて拒否します。
edquota -t コマンドを使えば、ソフトリミットの超過を許す「猶予期間」の最長値を定義することが可能です。この期間の後、ソフトリミットはハードリミットと同様に扱われます。ユーザがハードドライブに何かを書き込むには、ディスク領域の使用量を減らしてクォータの制限内に収めなければいけません。